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新たな『心電図検査機器』を導入しました

JUNTENDO UNIVERSITY URAYASU HOSPITAL

 当院ではこのたび、電極一体型ホルター心電図『Heartnote®』を導入しました。不整脈は動悸、息切れ、めまい、失神、さらには心不全や脳梗塞の原因となります。通常の心電図では症状や発作がない時は「正常」である場合が少なくありません。このような場合、24時間ホルター心電図を行いますが、24時間以内に不整脈が発生しなければ診断にたどり着けません。さらに長時間の心電図記録は、本体と電極・コードが別体のため、入浴が不可能なだけでなく、その前後で装置のつけ外しが必要などわずらわしさがありました。  この電極一体型ホルター心電図『Heartnote®』は、絆創膏タイプで軽量、しなやかで電極ケーブルなどがないため、装着負担が少なく、防水仕様ため装着したままシャワーや半身浴が可能となります。そして7日間の心電図が記録可能です。すでにこれまで記録でなかった不整脈が記録され、治療に進んだ患者さんも多くいます。原因が特定できていない動悸、息切れ、めまい、失神を認める患者さんや、そのような患者さんでお困りの近隣の先生方は、遠慮なくご相談ください。

臨床検査医学科 科長・教授
身体(からだ)機能検査センター長   藍 智彦
小児科 科長・教授
こども救急センター長   高橋 健
循環器内科 科長・教授
副ハートセンター長   戸叶 隆司

心アミロイドーシスはアミロイドという異常な蛋白質が心筋に沈着することで心機能障害を引き起こし、むくみや息切れを生じる病気です。心アミロイドーシスが進行すると治療が困難になります。なお、病気の初期は症状がみられない人もいれば、手のしびれや痛みなど心臓以外に症状がみられる場合など様々です。心アミロイドーシスはAL型やトランスサイレチン(ATTR)型など色々な分類があってそれぞれ治療法も異なるため、様々の診療科と連携して診断と治療を進めていく必要があります。
2019年からトランスサイレチン型心アミロイドーシスに対する治療薬として、タファミジス(商品名:ビンダケル・ビンマック)が保険適用されて使用可能になりました。タファミジスはトランスサイレチン型心アミロイドーシスの予後改善効果が示された画期的な治療薬ですが、適正使用のために日本循環器学会の認定施設・認定医の下で導入されることが処方要件になっています。
当院は2023年9月12日付でビンダケル導入施設として日本循環器学会より承認されました。今後は、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断に必要な各種画像検査(心エコー、心臓MRI、ピロリン酸シンチグラフィなど)や病理検査(心筋生検など)に加えて、治療も当院で一貫して出来るようになります。息切れやむくみなどの症状があり、お困りの方は是非当院ハートセンターにお越しください。また近隣の医療機関に通院中の患者さんで、これらの症状があって心不全が疑われる場合には、いつでも当院ハートセンターまでご紹介ください。

循環器内科および放射線科では、3月11日(金)よりカテーテルアブレーション治療を行う血管撮影室に最新の血管撮影装置を導入し、順調に稼働しています。

このたび、4月1日(金)より、この血管撮影装置に新たな機能「EP Navigation System」を追加導入しました。本システムでは、心房細動に対するカテーテルアブレーションを受ける患者さんに対して、術前に行った心臓3D CT検査の画像を、術中に画面表示することで、カテーテルの位置を把握することができます。これにより、術中の造影を省略することが可能となり、造影剤の使用量を減少でき、また放射線被ばくの軽減にもつながります。本システムを使用し、今後もより安全なカテーテルアブレーションを施行してまいります。

循環器内科の診療では、冠動脈の検査・治療(冠動脈造影・経皮的冠動脈形成術)や末梢血管治療、不整脈の治療(植込み型デバイス手術・カテーテル心筋焼灼術)などを行う場合に、血管撮影装置を使用します。当院は、地域医療支援病院(2021年10月承認)として、また、東葛地域の循環器治療の基幹病院として、24時間365日体制で急性冠症候群や重症不整脈などの救急患者さんを受け入れ、血管撮影装置を用いて治療を行っています。
このたび、最新の血管撮影装置の中でも高画質を維持しつつ最大50%の被ばく軽減が可能な血管撮影装置を導入しました。2022年1月末より更新工事を開始し、3月初旬に稼働開始しました。
当科および放射線科は、本装置の特徴を生かし、引き続き精度と安全性が高い冠動脈・末梢血管治療やカテーテル心筋焼灼術を施行し、地域医療支援病院として患者さんに最適で有益な循環器疾患の治療を提供していく所存です。

順天堂特設サイト「Good Health Journal」にて循環器内科の宮﨑 哲朗准教授の記事が掲載されました。
内容は、急激な温度変化で血圧が大きく変動することによって引き起こされる
“ヒートショック”についてです。ぜひ、ご一読ください。

順天堂特設サイト「Good Health Journal」へ(外部リンク)


循環器内科 准教授
宮﨑 哲朗

【専門】動脈硬化学、心不全、脂質代謝異常
【資格】日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医・関東甲信越地方会評議員、臨床研修指導医

ごあいさつ
2023年8月1日付で、循環器内科の教授を拝命いたしました。
当院に赴任した2012年以来、主に不整脈診療に従事してまいりましたが、近年不整脈の治療、特に心房細動に対するカテーテル治療が格段に進歩し、バルーン式アブレーションを主体に順調に治療を行っております。また当科は優秀な血管治療チームを擁し、急性冠症候群をはじめとした冠動脈疾患にも患者様に最適・最新の治療を提供しております。主に下肢の末梢動脈疾患の治療を専門的に行うフットケアチームも、2023年4月よりフットケアセンターとしてさらに充実した診療を行っております。これらの治療は医師以外のスタッフの方々のご協力を必要とし、また心血管疾患には外科的手術を時に緊急で要する疾患も多々あるため心臓血管外科との連携が重要であります。近年は脳心腎連関の重要性が説かれており、今後も当科責任者としてハートセンター・フットケアセンターとしてのチーム医療、他科・多職種の皆様と連携をさらに発展させ循環器疾患に対する最新・最適、かつ安全第一の医療を皆様に提供してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

プロフィール
帝京大学医学部1987年卒
【専門分野】不整脈(ペースメーカ、植込み型除細動器、心臓再同期療法、植込み型心電図モニター、カテーテルアブレーション)
【取得資格】日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会認定専門医、日本医師会認定産業医、植込み型除細動器・ペーシングによる心不全治療研修修了・施行医、クライオバルーンアブレーション・内視鏡下心臓レーザーアブレーションシステム施設認定・施行医

詳しくは循環器内科ページをご参照ください。

当院では、新しい心臓の検査であるFFRCTを導入しました。千葉県では当院が導入1施設目となります。この検査では、冠動脈が狭くなって心臓に十分な血液を供給できなくなる狭心症疑いの方に、身体に負担をかけないコンピュータによるシミュレーションで血液の流れを測定できます。

<従来の検査について>
従来は冠動脈CT検査で冠動脈に狭くなった部分(狭窄)が見つかった場合、その狭窄が“心臓の働きにどの程度影響を与えているのか?” “症状の原因となっているのか?”を侵襲的カテーテル検査や別の追加検査で評価していました。特に中等度狭窄(ボーダーライン)と呼ばれる血管が半分程度狭くなっている場合や複数の狭窄がある場合は冠動脈CT検査の結果だけで判断することは難しく、カテーテル検査や他の検査で調べる必要がありました。

<FFRCT解析について>
FFRCT解析は非侵襲的検査(身体に負担をかけない検査)であり、冠動脈CT検査の画像データをもとに最新のコンピュータ技術で解析を行います。すでに撮影されたCTデータを使用しますので、新たな被ばくなど身体的危険性がなく検査を行うことが可能であり、入院や外来での追加検査は必要ありません。この非侵襲的な心臓検査は、それぞれの狭窄部位が心臓の働きにどのように影響するかを患者さん個別の冠動脈3Dモデルで解析結果を確認できます。解析結果は下図のように数値と色で分かりやすく表示されます。

冠動脈CT
FFRct解析

この詳細な情報は、これまでは侵襲的なカテーテル検査でしか得られなかったものですが、FFRCT解析の導入により、症状の安定した患者さんに非侵襲的検査での診断が可能になりました。FFRCTの検査結果をもとにさらなる検査、治療の必要性を検討し、適正な医療を提供することができます。

<FFRCT導入施設について>
この画期的なFFRCT解析を導入するには基準が設けられており、この基準を満たしている施設のみが導入できます。現段階では全国でも数少ない施設でのみ導入されています。千葉県では当院でのみFFRCT解析を導入しております。(2021年2月1日現在)

<FFRCT解析のメリット>

<最後に>
冠動脈CT画像の質はFFRCT解析において非常に重要であります。当院では冠動脈CT画像の質を上げ、皆さまに安全で適正な医療をご提供できますよう当科、放射線科、放射線科技師、看護師が協力して検査を行っております。

<お問い合わせ先>
ステント留置後や冠動脈バイパス手術後、ペースメーカー留置後や不整脈をお持ちの方などはFFRCT解析ができない場合があります。詳しくは当科外来にて担当医にご相談ください。

順天堂法人サイト「CO-CORE」にて循環器内科が紹介されました。
循環器内科は超高齢者社会の到来とともに患者さんが急増している診療科のひとつです。当科には、急性期の患者さんを中心に大学病院ならではの高度専門医療を提供する専門医がいます。
記事では、戸叶先任准教授(不整脈)、横山准教授(心血管)、宮﨑准教授(心不全)、小田切助教(不整脈)、尾崎助教(末梢血管)の専門医5名が、当科の特長や最新治療について話しています。ぜひ、ご一読ください。

順天堂法人サイト「CO-CORE」へ(外部リンク)

ごあいさつ

 2020年4月1日付で循環器内科の診療科長に就任いたしました。当科は、この地域での循環器診療の基幹を担っており、その責任者であることは大変光栄である一方身の引き締まる思いでございます。循環器内科は冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)、心不全、大動脈疾患、末梢動脈・静脈疾患、肺動脈疾患そして不整脈が主な対象疾患ですが、私は前科長の中里祐二教授のもと30年間不整脈診療に携わってまいりました。その経験を生かし、質の高い不整脈診療、後輩の育成ができるものと自負しております。また冠動脈疾患、心不全、大動脈・末梢動脈疾患に関しても優秀な専門スタッフに恵まれ、さらにハートセンターとして心臓血管外科との密な連携も構築されており、引き続き患者さんに最適で安全かつ高度な循環器内科の診療を絶やさずご提供できるよう精進いたしますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 

プロフィール

帝京大学1987年卒

【専門分野】臨床心臓電気生理学(心臓植込み型デバイス、カテーテル心筋焼灼術)および循環器内科学一般

【取得資格】日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会認定専門医、日本医師会認定産業医、臨床研修指導医、植え込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療研修履修者、米国不整脈学会会員、日本不整脈学会評議員、日本循環器学会関東甲信越地方会評議員、臨床電気生理研究会幹事

 

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