フットケアセンター
順天堂大学医学部附属浦安病院フットケアチームは、各診療科、多職種の共同体制で実施しています。
『関わる診療科』
循環器内科、皮膚科、形成外科・再建外科、整形外科、腎・高血圧内科、糖尿病・内分泌内科、リハビリテーション科、看護部、栄養科
お知らせ
センター長よりあいさつ
センター長
尾﨑 大
(助教)
経歴 |
2007年 3月 東邦大学医学部卒業 |
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資格 | 循環器疾患一般、末梢血管カテーテル治療、冠動脈疾患、フットケア |
専門 | 日本内科学会認定医、日本本循環器学会認定循環器専門医、心血管インターベンション治療学会認定医・専門医、浅大腿動脈グラフト実施医、臨床研修指導医、医学博士、下肢救済学会会員 |
2023年4月1日付で浦安病院にフットケアセンターを開設し、センター長に就任しました。近年、増加の一途を辿っている下肢創傷の治療において、まず創・虚血・感染の3つの分野について評価を行い、必要があれば血行再建を行ったうえで、創の状態により軟膏処置・デブリードマン・小切断や大切断といった処置を施行します。また、創傷治癒のためには、血糖コントロールや栄養状態の改善なども非常に重要であり、このような包括的な治療は単診療科では困難であるため、治療に携わる各診療科の専門的な知識や判断を要します。よって、当院では定期的にフットケアカンファレンスを行い、一人ひとりの患者さんについて、専門医および多職種で議論を行ったうえで治療方針を決定するチーム医療を展開しております。フットケアセンターの開設により、フットケアチームの活動がより円滑化され、チーム自体も更に活性化すると考えております。今後は、地域医療機関からの紹介患者さんの受入れをさらに増やすと同時に、入院患者さんに対しても、最新かつ専門的で早期な治療に取り組んでいきます。
取り扱う疾患
下肢閉塞性動脈硬化症
下肢閉塞性動脈硬化症とは?
下肢の血管の動脈硬化により血管内に狭窄や閉塞が生じる病気です。高血圧・糖尿病・脂質異常症・ 喫煙など動脈硬化の危険因子を有している方に起こりやすいと言われています。主な症状として歩 行時のふくらはぎの痛みや下肢の重さを感じ、休むことでその症状が改善するというもので「間歇性跛行(かんけ つせいはこう)」と呼ばれています。腰部脊柱管狭窄症などでも類似の症状が生じるため、実は血流障害があって も気づかれない場合もあります。
下肢の血流障害が進行すると起こる事は?
下肢の血流障害が進行すると安静時の下肢疼痛や色調不良を生じることがあります。下肢にできた傷がもとで難治
性の潰瘍を形成し、下肢の壊疽へと進行することもあります。下肢の壊疽がもとで感染した場合には、早期の治療
が適切に行わなければ下肢切断に至る場合もあり注意が必要です。
下肢を救済するために必要な事は?
近年では下肢の創傷治癒のためには傷を評価し、血流を評価し、感染の程度を評価し、早期の血管治療を行い創部
の処置を行う事が重要とされています。このような治療を行うためにはチーム医療が不可欠であり、当院ではそれ
ぞれの専門分野の医師や看護師のみならず、理学療法士や管理栄養士など多職種からなるフットケアチームを設立
し日々下肢の創傷の治癒に努めています。
下肢重症虚血:CLI
~近年ではCLTI(包括的高度慢性下肢虚血)とも呼ばれる病態について~
- 慢性動脈閉塞による下肢の重症虚血である。
- 安静時痛・又は潰瘍・壊死を伴い血行再建無しでは下肢の組織の維持や疼痛の解除を行えない状態である。
- 急速な進行や感染は切断に至るケースもある(大切断を行った場合の予後は非常に悪い)。
- 今後、動脈硬化性疾患が増加するにつれて患者数も増加すると考えられる。
CLI(CLTI)の患者では6 カ月以内に30%が下肢切断に至り,20%が死亡に至る。下肢切断後の予後は悪い。
→救肢・創傷治癒の為には血行再建に加え、創部の専門的な処置(デブリードマン、小切断など)、感染コントロール、栄養状態改善、リハビリテーションなど多職種に於ける治療が必要不可欠であり「フットケアチームによる包括的治療」が求められている。
診療実績等
フットケアに関する外来・入院患者数、末梢血管カテーテル治療の推移
新たなLDLアフェレーシス治療「レオカーナ」診療実績