
循環器内科 小田切 史徳 准教授は、2024年に掲載された論文「PACE–Pacing and Clinical Electrophysiology」の中で「Top viewed article(閲覧数上位10%)」として選出されました。
【論文情報】
雑誌名:PACE–Pacing and Clinical Electrophysiology
論文名:Clinical impact of cryoballoon posterior wall isolation using the cross-over technique in persistent atrial fibrillation

心房細動に対するカテーテルアブレーションは心房細動に対する非薬物療法として確立しており、高周波カテーテルアブレーションに加え2016年よりクライオバルーンアブレーションを導入、当院でも安定した治療実績をおさめております。
さらに近年パルスフィールドアブレーション(PFA)が開発され、有効性・安全性が欧米で、また本邦でも証明され、昨年末より日本でも認可され当院でも本年より導入致しました。
PFAは、高電圧の電場(パルスフィールド)を用いて心房細動に関与する心筋組織に非可逆的な電気穿孔を誘導し細胞死を引き起します。高周波カテーテルアブレーションやクライオバルーンアブレーションは、焼灼や冷凍凝固といった熱エネルギーを用いて心房細動のアブレーションの基本である肺静脈電気的隔離やその他ブレーションを行っておりましたが、PFAは熱エネルギーを介さずこれを行います。またPFAの特徴は心筋に対する高い組織選択性であり、食道や心臓周囲の神経など心臓外への影響が極めて少ないことです。
これまで当科で注力してきたクライオバルーンアブレーションも心房細動に対して依然優れた治療法であることは変わりありませんが、新たにPFAという治療法の選択肢が増え、今後も患者様に最適な心房細動の非薬物療法を行ってまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。


カテーテルアブレーションは、近年心房細動に対する非薬物療法として確立しており、その基本は肺静脈電気的隔離術です。これは左心房に開口する4本の肺静脈から発生する異常な電気信号(=心房細動の原因)が左心房に伝搬しないようにする方法で、発作性心房細動(心房細動が長くても1週間で自然停止、正常な脈に回復する)では肺静脈電気的隔離術のみで比較的良好な治療成績を示しています。しかしながら持続性心房細動(心房細動が1週間以上持続している)では肺静脈電気的隔離術のみによる治療効果は限定的であり、これは特に持続性心房細動では左心房後壁(4本の肺静脈で囲まれた左心房の背面の壁)も心房細動の発生・維持に深く関与するとも言われており、左心房後壁電気的隔離術の追加が持続性心房細動の治療成績向上に寄与すると考えられています。
当院では昨年より心房細動に対する最新のカテーテルアブレーションシステムとしてパルスフィールドアブレーション(PFA)を導入、安定して稼働しております。PFAは高電圧の電場(パルスフィールド)を用いるカテーテルアブレーションで、特徴は心筋に対する高い組織選択性であり、また焼灼や冷凍凝固といった熱エネルギーに依存しないため食道や心臓周囲の神経など心臓外への影響が極めて少ないことです。これまで我が国ではPFAは肺静脈電気的隔離術のみに使用が可能でしたが、2025年10月よりPFAによる左心房後壁電気的隔離術の施行もその安全性・有効性が確認され認可されました。今後当院では、必要な患者様にはPFAによる肺静脈電気的隔離術のみならず左心房後壁電気的隔離術を併施することを方針に、患者様に最適な心房細動のカテーテルアブレーションを行ってまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
順天堂大学医学部附属浦安病院 循環器内科 科長 戸叶隆司

心不全とは、心臓にトラブル(心筋梗塞や弁膜症等)を起こした結果、心臓がうまく機能できなくなった状態を言います。
呼吸困難や運動耐容能低下など心不全症状や心不全の寛解・増悪時による繰り返す入院加療で生活の質が低下してしまいます。また心不全の生命予後は大腸がんと同等とも言われており、適切な治療と再発予防が重要です。
心不全患者様は近年の高齢化社会も相まって増加の一途をたどり、「心不全パンデミック」と言われる時代になりました。心不全に対する治療、特に内服治療は近年大変進歩いたしましたが、心不全患者様の生活の質向上・生命予後の改善、そして心臓血管外科の術後の患者様にも心臓リハビリテーションが大変重要です。
日本の65歳以上人口における心不全新規発症推定数の推移
(文献Shimokawa H, et al: Heart failure as a general pandemic in Asia. Eur J Heart Fail 17:884-892,2015.)
循環器内科・リハビリテーション科では、2025年1月に心大血管リハビリテーション施設基準Ⅰを取得し、本格的に心臓リハビリテーションを開始しています。心臓リハビリテーションは内服治療と並行して行う事で死亡率や再入院率を減少させ生命予後を改善する効果があると言われています。
心臓リハビリテーションは包括的心臓リハビリテーションとも呼ばれ、理学療法士による運動療法はもちろんですが、専属の看護師も常駐しており、疾患に対する学習活動、再発、予防のための療養指導を行っています。心疾患手帳を活用し日々の体重、服薬状況、運動状況、血圧、心拍数を入院中から患者さんご自身に記載してもらうことで退院後の体調管理に役立ててもらいます。外来主治医も手帳を拝見することで患者さんの身体状況を把握しやすくなります。また毎月多職種カンファレンスを行い、医師、理学療法士、看護師にて個々の患者さんについて話し合いの場を設けることでオーダーメイドに近い包括的リハビリテーションを目指しています。
現在は入院患者さん向けに病棟内にある心臓リハビリテーション室にて心臓リハビリテーションを行っていますが、心臓リハビリテーションは150日間の保険適応が認められており、入院中だけでなく外来通院での心臓リハビリテーション実施が不可欠と考えており、現在導入に向けて準備を進めています。
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当院ではこのたび、電極一体型ホルター心電図『Heartnote®』を導入しました。不整脈は動悸、息切れ、めまい、失神、さらには心不全や脳梗塞の原因となります。通常の心電図では症状や発作がない時は「正常」である場合が少なくありません。このような場合、24時間ホルター心電図を行いますが、24時間以内に不整脈が発生しなければ診断にたどり着けません。さらに長時間の心電図記録は、本体と電極・コードが別体のため、入浴が不可能なだけでなく、その前後で装置のつけ外しが必要などわずらわしさがありました。 この電極一体型ホルター心電図『Heartnote®』は、絆創膏タイプで軽量、しなやかで電極ケーブルなどがないため、装着負担が少なく、防水仕様ため装着したままシャワーや半身浴が可能となります。そして7日間の心電図が記録可能です。すでにこれまで記録でなかった不整脈が記録され、治療に進んだ患者さんも多くいます。原因が特定できていない動悸、息切れ、めまい、失神を認める患者さんや、そのような患者さんでお困りの近隣の先生方は、遠慮なくご相談ください。
臨床検査医学科 科長・教授
身体(からだ)機能検査センター長 藍 智彦
小児科 科長・教授
こども救急センター長 高橋 健
循環器内科 科長・教授
副ハートセンター長 戸叶 隆司



心アミロイドーシスはアミロイドという異常な蛋白質が心筋に沈着することで心機能障害を引き起こし、むくみや息切れを生じる病気です。心アミロイドーシスが進行すると治療が困難になります。なお、病気の初期は症状がみられない人もいれば、手のしびれや痛みなど心臓以外に症状がみられる場合など様々です。心アミロイドーシスはAL型やトランスサイレチン(ATTR)型など色々な分類があってそれぞれ治療法も異なるため、様々の診療科と連携して診断と治療を進めていく必要があります。
2019年からトランスサイレチン型心アミロイドーシスに対する治療薬として、タファミジス(商品名:ビンダケル・ビンマック)が保険適用されて使用可能になりました。タファミジスはトランスサイレチン型心アミロイドーシスの予後改善効果が示された画期的な治療薬ですが、適正使用のために日本循環器学会の認定施設・認定医の下で導入されることが処方要件になっています。
当院は2023年9月12日付でビンダケル導入施設として日本循環器学会より承認されました。今後は、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断に必要な各種画像検査(心エコー、心臓MRI、ピロリン酸シンチグラフィなど)や病理検査(心筋生検など)に加えて、治療も当院で一貫して出来るようになります。息切れやむくみなどの症状があり、お困りの方は是非当院ハートセンターにお越しください。また近隣の医療機関に通院中の患者さんで、これらの症状があって心不全が疑われる場合には、いつでも当院ハートセンターまでご紹介ください。
循環器内科および放射線科では、3月11日(金)よりカテーテルアブレーション治療を行う血管撮影室に最新の血管撮影装置を導入し、順調に稼働しています。
このたび、4月1日(金)より、この血管撮影装置に新たな機能「EP Navigation System」を追加導入しました。本システムでは、心房細動に対するカテーテルアブレーションを受ける患者さんに対して、術前に行った心臓3D CT検査の画像を、術中に画面表示することで、カテーテルの位置を把握することができます。これにより、術中の造影を省略することが可能となり、造影剤の使用量を減少でき、また放射線被ばくの軽減にもつながります。本システムを使用し、今後もより安全なカテーテルアブレーションを施行してまいります。


循環器内科の診療では、冠動脈の検査・治療(冠動脈造影・経皮的冠動脈形成術)や末梢血管治療、不整脈の治療(植込み型デバイス手術・カテーテル心筋焼灼術)などを行う場合に、血管撮影装置を使用します。当院は、地域医療支援病院(2021年10月承認)として、また、東葛地域の循環器治療の基幹病院として、24時間365日体制で急性冠症候群や重症不整脈などの救急患者さんを受け入れ、血管撮影装置を用いて治療を行っています。
このたび、最新の血管撮影装置の中でも高画質を維持しつつ最大50%の被ばく軽減が可能な血管撮影装置を導入しました。2022年1月末より更新工事を開始し、3月初旬に稼働開始しました。
当科および放射線科は、本装置の特徴を生かし、引き続き精度と安全性が高い冠動脈・末梢血管治療やカテーテル心筋焼灼術を施行し、地域医療支援病院として患者さんに最適で有益な循環器疾患の治療を提供していく所存です。

順天堂特設サイト「Good Health Journal」にて循環器内科の宮﨑 哲朗准教授の記事が掲載されました。
内容は、急激な温度変化で血圧が大きく変動することによって引き起こされる
“ヒートショック”についてです。ぜひ、ご一読ください。
順天堂特設サイト「Good Health Journal」へ(外部リンク)

循環器内科 准教授
宮﨑 哲朗
【専門】動脈硬化学、心不全、脂質代謝異常
【資格】日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医・関東甲信越地方会評議員、臨床研修指導医

