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循環器内科・リハビリテーション科により心臓リハビリテーションを開始しました

JUNTENDO UNIVERSITY URAYASU HOSPITAL

 心不全とは、心臓にトラブル(心筋梗塞や弁膜症等)を起こした結果、心臓がうまく機能できなくなった状態を言います。
 呼吸困難や運動耐容能低下など心不全症状や心不全の寛解・増悪時による繰り返す入院加療で生活の質が低下してしまいます。また心不全の生命予後は大腸がんと同等とも言われており、適切な治療と再発予防が重要です。
 心不全患者様は近年の高齢化社会も相まって増加の一途をたどり、「心不全パンデミック」と言われる時代になりました。心不全に対する治療、特に内服治療は近年大変進歩いたしましたが、心不全患者様の生活の質向上・生命予後の改善、そして心臓血管外科の術後の患者様にも心臓リハビリテーションが大変重要です。


日本の65歳以上人口における心不全新規発症推定数の推移
 (文献Shimokawa H, et al: Heart failure as a general pandemic in Asia. Eur J Heart Fail 17:884-892,2015.)

 循環器内科・リハビリテーション科では、2025年1月に心大血管リハビリテーション施設基準Ⅰを取得し、本格的に心臓リハビリテーションを開始しています。心臓リハビリテーションは内服治療と並行して行う事で死亡率や再入院率を減少させ生命予後を改善する効果があると言われています。
 心臓リハビリテーションは包括的心臓リハビリテーションとも呼ばれ、理学療法士による運動療法はもちろんですが、専属の看護師も常駐しており、疾患に対する学習活動、再発、予防のための療養指導を行っています。心疾患手帳を活用し日々の体重、服薬状況、運動状況、血圧、心拍数を入院中から患者さんご自身に記載してもらうことで退院後の体調管理に役立ててもらいます。外来主治医も手帳を拝見することで患者さんの身体状況を把握しやすくなります。また毎月多職種カンファレンスを行い、医師、理学療法士、看護師にて個々の患者さんについて話し合いの場を設けることでオーダーメイドに近い包括的リハビリテーションを目指しています。
 現在は入院患者さん向けに病棟内にある心臓リハビリテーション室にて心臓リハビリテーションを行っていますが、心臓リハビリテーションは150日間の保険適応が認められており、入院中だけでなく外来通院での心臓リハビリテーション実施が不可欠と考えており、現在導入に向けて準備を進めています。

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ごあいさつ
このたびリハビリテーション科教授に就任いたしました。
当院リハビリテーション科は、主に入院患者さんの急性期リハビリテーションを担っております。その対象は脳卒中、パーキンソン病なの脳血管疾患、整形外科領域の疾患、がん、心疾患や呼吸器疾患などの内部障害等、多岐にわたります。当診療科では、このような多くの対象疾患に対して、より専門性を高めたリハビリテーション医療の提供することを心がけており、当院から直接退院ないしは引き続く回復期リハビリテーションへの円滑ない移行に努めております。また、高齢化社会の実現に伴い、フレイル(高齢者の身体の脆弱化)や疾患自体の影響による筋力の低下や体力の衰退(サルコペニア)といった新たな課題が注目されております。当診療科は、順天堂医院(本院)との緊密な連携をとり先端医療に属する磁気刺激治療(本邦未承認)の導入や患者さんの意見を積極的により入れたボツリヌス治療を行うなど、患者さん第一のリハビリテーション医療を目指しています。 このように、当診療科が皆さまに果たすべき役割を見据えたより高いレベルでのリハビリテーション医療の実践を目指します。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

プロフィール
順天堂大学1987年卒
【専門分野】臨床神経学・神経科学、神経疾患のリハビリテーション、嚥下障害
【取得資格】日本神経学会専門医・指導医、日本リハビリテーション医学会専門医・指導医、日本内科学会認定内科医

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ごあいさつ
2022年4月1日付でリハビリテーション科の科長代行に就任いたしました。
近年、高齢化や医学的治療の目覚ましい進歩を背景にリハビリテーション需要が年々増加の一途を辿っています。リハビリテーションの対象は、整形外科疾患などの運動器疾患、脳卒中やパーキンソン病のような脳血管疾患、心不全などの心大血管疾患や呼吸器疾患などの内部障害、がん関連疾患、小児疾患など多岐に及びます。また、誤嚥性肺炎の原因となる嚥下障害や高齢化に伴い、増々増加が見込まれるフレイル(心と体の脆弱性)なども今後リハビリテーション領域において直面する課題となることでしょう。これらは、日本が長寿国となる反面、疾患を超えた新たな社会的問題として今後注目されることが想定されます。当科が整形外科によって開設されて以来、2008年にリハビリテーション科となり現在まで優れた技量を有する理学療法士、作業療法士および言語聴覚士各々が緊密な専門職種間連携を図りながら様々な疾患に対し効果的なリハビリテーションを提供しています。また、痙縮(脳卒中による手足のツッパリ)などリハ効果の向上に有用なボツリヌス治療を継続して行っています。一方、リハビリテーション医療は磁気刺激療法、ブレインマシンインターフェイス(脳と外部機器を直結する技術)など近年のメディカルイノヴェーション(新技術・新発明などの医療技術改革)に伴い学術的側面からも注目されています。このような世界的情勢に臨機応変に対応したリハビリテーション医療の提供は地域を超えた大学病院のリハビリテーション科として我々に与えられた使命でもあります。そのため、当科では順天堂医院との緊密な連携のもと段階的に研究活動を開始しています。そして、その成果を浦安から世界へ発信して参りたいと考えています。最後に、地域の皆さまに信頼をいただき安全なリハビリテーションを提供できるようスタッフ一同日々尽力して参りますのでどうぞよろしくお願いいたします。

プロフィール
順天堂大学1987年卒
【専門分野】臨床神経学・神経科学、神経疾患のリハビリテーション、嚥下障害
【取得資格】日本神経学会専門医・指導医、日本リハビリテーション医学会専門医・指導医、日本内科学会認定内科医

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