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JUNTENDO UNIVERSITY URAYASU HOSPITAL

TOPICS トピックス

2021年03月12日(金)

循環器内科

狭心症の診断を非侵襲的に行う新しい検査法:FFRCT解析を導入しました

当院では、新しい心臓の検査であるFFRCTを導入しました。千葉県では当院が導入1施設目となります。この検査では、冠動脈が狭くなって心臓に十分な血液を供給できなくなる狭心症疑いの方に、身体に負担をかけないコンピュータによるシミュレーションで血液の流れを測定できます。

<従来の検査について>
従来は冠動脈CT検査で冠動脈に狭くなった部分(狭窄)が見つかった場合、その狭窄が“心臓の働きにどの程度影響を与えているのか?” “症状の原因となっているのか?”を侵襲的カテーテル検査や別の追加検査で評価していました。特に中等度狭窄(ボーダーライン)と呼ばれる血管が半分程度狭くなっている場合や複数の狭窄がある場合は冠動脈CT検査の結果だけで判断することは難しく、カテーテル検査や他の検査で調べる必要がありました。

<FFRCT解析について>
FFRCT解析は非侵襲的検査(身体に負担をかけない検査)であり、冠動脈CT検査の画像データをもとに最新のコンピュータ技術で解析を行います。すでに撮影されたCTデータを使用しますので、新たな被ばくなど身体的危険性がなく検査を行うことが可能であり、入院や外来での追加検査は必要ありません。この非侵襲的な心臓検査は、それぞれの狭窄部位が心臓の働きにどのように影響するかを患者さん個別の冠動脈3Dモデルで解析結果を確認できます。解析結果は下図のように数値と色で分かりやすく表示されます。

冠動脈CT
FFRct解析

この詳細な情報は、これまでは侵襲的なカテーテル検査でしか得られなかったものですが、FFRCT解析の導入により、症状の安定した患者さんに非侵襲的検査での診断が可能になりました。FFRCTの検査結果をもとにさらなる検査、治療の必要性を検討し、適正な医療を提供することができます。

<FFRCT導入施設について>
この画期的なFFRCT解析を導入するには基準が設けられており、この基準を満たしている施設のみが導入できます。現段階では全国でも数少ない施設でのみ導入されています。千葉県では当院でのみFFRCT解析を導入しております。(2021年2月1日現在)

<FFRCT解析のメリット>

  • 外来での検査が可能で既に撮影された冠動脈CT画像データを用いて解析を行いますので、新たな造影剤の使用や被爆などの心配がありません。
  • 非侵襲的検査(身体に負担をかけない検査)であり、患者さんに優しい検査です。

<最後に>
冠動脈CT画像の質はFFRCT解析において非常に重要であります。当院では冠動脈CT画像の質を上げ、皆さまに安全で適正な医療をご提供できますよう当科、放射線科、放射線科技師、看護師が協力して検査を行っております。

<お問い合わせ先>
ステント留置後や冠動脈バイパス手術後、ペースメーカー留置後や不整脈をお持ちの方などはFFRCT解析ができない場合があります。詳しくは当科外来にて担当医にご相談ください。

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