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JUNTENDO UNIVERSITY URAYASU HOSPITAL

TOPICS トピックス

2020年11月27日(金)

整形外科

PRP(多血小板血漿)療法を開始しました

整形外科およびスポーツ医学センターにて、PRP(多血小板血漿)療法を開始しました。
PRPとは、患者さんの血液中の成分である“血小板”に含まれる成長因子などのタンパク質の作用を利用した再生医療です。血液には成長因子などの良いタンパク質と炎症や軟骨破壊を促進する悪いタンパク質が一緒に含まれています。PRP療法では、成長因子を多く含む血小板と細胞の栄養素などを含む血漿を悪いタンパク質を含む赤血球から分離することで、血液のもつ治癒作用を高めて治療に利用します。自己治癒力をサポートする治療法として、ヨーロッパやアメリカでは頻繁に行われています。

 

【治療の流れ】

  1. 採血
  2. 血液を遠心分離し、PRPを抽出
  3. PRPを患部に注射

 

【主な対象疾患】
慢性関節炎(変形性膝関節症・肩関節周囲炎・腰痛など)、スポーツ外傷・障害(靱帯損傷・肉離れ・腱炎など)など

 

【効果】
当院では、これまで順天堂大学でPRP療法を行っていますが、効果がある方は全体の約60%程度です。ご自分の血液を使うため、血小板の活性が高い/低いなどの因子が効果に影響を及ぼすのではないかと考えられていますが、まだ明らかにはなっていません。また、関節の変形や腱板断裂の程度が重症な方ではPRP療法の効果が低下します。

 

【副作用】
PRP療法によって起こる副作用は少ないですが、筋肉や腱などの組織に直接針で刺してPRPを注入するため、治療中と治療後に痛みを感じることがあります。しかし、関節内に対するPRP療法では痛みを感じることはあまりありません。

 

【メリット】

  • 身体への負担が少ない
    患部へ注射のため、手術に比べ負担が少なく、若年者から高齢者まで年齢に関わりなく治療を受けることができます。
  • 副作用が少ない
    自分の血液を利用するため、副作用を引き起こす可能性が低いです。

 

【デメリット】

  • 自由診療のため金銭的負担が大きい
  • 治療効果に個人差がある

 

【費用とスケジュール】
PRP療法は、日本ではまだ保険診療として認められていません。そのため、治療を受ける方は自由診療となります。当院での一本のPRP注射にかかる費用は現在33,000円(税込)(肩や肘関節は1本ですが、膝関節の場合は2本使用するので66,000円(税込))です。PRP療法は再生医療のひとつですが、先進医療や高額医療の補助の対象とはなりません。PRP療法実施日の痛み止めや湿布の処方、および検査もすべて自費となりますのでご注意ください。
PRP療法を行うかどうかは当日の状態によって担当医と患者さんがご相談の上で最終決定いたします。治療を行ってから約3ヶ月後(治療開始から半年)に、痛みがどれくらい取れたか、生活がどれくらい改善したかを評価します。効果が認められた方では2回目のPRP療法を行う方もいらっしゃいます。
残念ながら効果がなかった方は、関節鏡下手術や人工関節置換術などの手術加療を行う事も可能ですので担当医にご相談ください。

 

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