2025年04月18日(金)
循環器内科・リハビリテーション科により心臓リハビリテーションを開始しました
心不全とは心臓にトラブル(心筋梗塞や弁膜症等)を起こした結果心臓がうまく機能できなくなった状態を言います。
呼吸困難や運動耐容能低下など心不全症状や心不全の寛解・増悪時による繰り返す入院加療で生活の質が低下してしまいます。また心不全の生命予後は大腸癌と同等とも言われており、適切な治療と再発予防が重要です。
心不全患者様は近年の高齢化社会も相まって増加の一途をたどり、「心不全パンデミック」と言われる時代になりました。心不全に対する治療、特に内服治療は近年大変進歩致しましたが、心不全患者様の生活の質向上・生命予後の改善、そして心臓結血管外科の術後の患者様にも心臓リハビリテーションが大変重要です。
日本の65歳以上人口における心不全新規発症推定数の推移
(文献Shimokawa H, et al: Heart failure as a general pandemic in Asia. Eur J Heart Fail 17:884-892,2015.)
循環器内科・リハビリテーション科では、2025年1月に心大血管リハビリテーション施設基準Ⅰを取得し、本格的に心臓リハビリテーションを開始しています。心臓リハビリテーションは内服治療と並行して行う事で死亡率や再入院率を減少させ生命予後を改善する効果があると言われています。
心臓リハビリテーションは包括的心臓リハビリテーションとも呼ばれ、理学療法士による運動療法はもちろんですが、専属の看護師も常駐しており、疾患に対する学習活動、再発、予防のための療養指導を行っています。心疾患手帳を活用し日々の体重、服薬状況、運動状況、血圧、心拍数を入院中から患者さんご自身に記載してもらうことで退院後の体調管理に役立ててもらいます。外来主治医も手帳を拝見することで患者さんの身体状況を把握しやすくなります。また毎月多職種カンファレンスを行い、医師、理学療法士、看護師にて個々の患者さんについて話し合いの場を設けることでオーダーメイドに近い包括的リハビリテーションを目指しています。
現在は入院患者さん向けに病棟内にある心臓リハビリテーション室にて心臓リハビリテーションを行っていますが、心臓リハビリテーションは150日間の保険適応が認められており、入院中だけでなく外来通院での心臓リハビリテーション実施が不可欠と考えており、現在導入に向けて準備を進めています。