2021年05月29日(土)
腎・高血圧内科
「重度尿蛋白を呈する糖尿病性腎症に対するLDLアフェレシス療法」について
当院では、先進医療として「重度尿蛋白を呈する糖尿病性腎症に対するLDLアフェレシス療法」を行ってまいりましたが、2022年4月より、本治療が保険収載されました。
これは、重度尿蛋白を伴う糖尿病性腎症患者さんの生命予後と腎機能維持を期待し、血中LDLコレステロールを吸着する治療法です。
糖尿病性腎症は予後が悪く、新たな透析導入患者の約40%を占めています。また、血液中のLDL値が高い状態が続くことでも、腎臓の機能が低下することが知られています。血液中のLDLを取り除くLDLアフェレシス療法(血液浄化装置を使って、血液中のLDLコレステロールを除去する療法)を実施することで、尿蛋白の改善や、腎機能保護、生命予後の改善効果が期待されます(下図)。
<先進医療で示唆された有効性>
Wada T. Clin Exp Nephrol 25:1-8, 2021より引用改変
- LDLアフェレシス療法は週に1~2回外来で施行し、合計10回行います。
- 対象患者さんの目安
血清Cr < 2.0 mg/dL、LDL > 120 mg/dL、尿蛋白 2+~3+ (3g/gCr)
本治療について、腎・高血圧内科外来までお気軽にご相談ください。
引用:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000078149.pdf(外部リンク)