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MEDICALCARE

顔面骨骨折

【閲覧にあたり、ページ内の一部に疾患の状態や手術中の様子を示す写真が含まれることをご留意下さい。】

顔面骨骨折

顔面骨は顔面において顔面形態の形成、神経・血管の通り道、鼻腔の保持、眼窩の保持、歯牙の土台、筋肉の付着部などの役割を果たしています。薄い骨が多く、転倒やスポーツでの接触などでも骨折を来す可能性があります。 骨折した場合その種類に応じた症状が生じ、機能の改善や顔面形態の改善のために治療が必要となります。骨折部は数週間で癒合し、癒合した後からの治療は困難となることが多いです。顔面骨は複数の骨に分かれており、場所に応じた骨の整復と固定を行うことを基本としますが、症状によっては治療を必要としないこともあります。 治療は全身麻酔下での手術が基本となります。

 

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鼻骨骨折

骨折によって鼻の変形、鼻の通りの悪さなどが生じます。
手術は基本的に皮膚の切開を必要とせず、専用の器具を用いて鼻の中・外から骨の位置を整復します。整復後は鼻の中にガーゼを充填し内側からの固定とし、外側にはギプスを当てて外側からの固定とします。
症状や骨折の程度によっては局所麻酔下での手術も可能です。

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治療前
治療前
治療後
治療後

頬骨骨折

1. 頬骨体部骨折

骨折によって顔面の変形(平坦化)、鼻部・頬部・口腔内の感覚障害、眼球運動障害・複視(物が二重に見える)などを生じます。また、弓部の骨折を伴うことが多くあります。
治療は顔面で必要な個所の切開を行い、骨の整復と複数個所での固定を行います。固定には骨折の状態や症状に応じて吸収性のプレートやチタン製のプレートを用います。

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吸収性プレートによる骨固定
吸収性プレートによる骨固定
治療前
治療前
治療後
治療後

2. 頬骨弓部骨折

骨折によって顔面の変形(側面のへこみ)や開口障害を生じます。開口障害は折れた頬骨弓が側頭筋(口を閉じる筋肉)に食い込むことで生じます。
単独で生じた場合は側頭部の切開から骨整復を行い、固定は必要としないことが多いです。

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治療前
治療前
治療後
治療後

眼窩壁骨折

眼窩は眼球を納める器になっており、骨折により眼窩内の脂肪組織や眼球を動かす筋肉が眼窩の外にはみ出し、眼球運動障害(特に眼球の上転が困難となる)や複視(ものが2重に見える)、眼球陥没を来す可能性があります。また、眼窩下壁の下は顔面に向かう知覚神経の通り道になっており、骨折によって顔面の感覚障害を来す可能性があります。
治療は睫毛下または眼瞼結膜を切開し、はみ出した脂肪組織や筋肉を元の位置に戻し、再度はみ出さないように吸収性やチタン製のシート、腰部の骨などを挿入します。
小児例などで、眼球を動かす筋肉が骨折部に挟み込まれてしまった場合には、緊急手術の対象となる場合があり、吐き気などを生じることも多いため、注意が必要となります。
また、軽症の場合には、プレートの敷き込みといった手術を必要としないことがあります。

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下壁、内側壁の骨折
下壁、内側壁の骨折
プレートの敷き込み(イメージ)
プレートの敷き込み(イメージ)

上顎骨・下顎骨骨折

骨折によって開口障害を生じます。また、上顎骨・下顎骨は歯牙を納める骨となっているため、骨折によって歯のかみ合わせの不整(咬合不全)を生じます。
治療は骨折の場所に応じた切開から骨の整復とプレートでの固定を行い、さらに咬合改善を得るために数週間の顎間固定(上顎と下顎の良い咬合位での固定)を必要とします。
骨折の程度によっては顎間固定のみで治療を行うこともあります。
咬合の改善のため、骨折の治療後に歯科矯正などの追加治療を必要とすることがあります。

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治療前
治療前
治療後
治療後
顎間固定
顎間固定

前頭骨骨折

骨折により前頭部の陥凹を生じます。重症の場合は髄液漏や嗅覚脱失を生じることがあり、脳神経外科の治療を必要とする場合があります。また、前頭骨の下には前頭洞という鼻とつながる空間があり、この損傷が強い場合は後に前頭洞炎を来す可能性があります。

陥凹変形のみの場合は程度によって骨整復・固定や人工骨の移植を行うこともあります。

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最後に
顔面骨骨折は緊急での手術は必要としないことがほとんどですが、未治療のまま放置することでその後の治療が困難になる可能性があります。気になる症状がある場合はぜひお早めに外来へご受診ください。