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診療部門のご紹介

整形外科のご紹介

外来担当医表はこちら

科のご紹介

整形外科は手や腕、脚、背骨の機能再建をおこなう診療科です。骨折により動かせなくなった手足、徐々に痛みや変形が増していく膝や腰、スポーツ活動で傷めた膝や足を可能な範囲で修復し、怪我や痛みを抱えた患者さんが一日でも早く社会生活へ復帰してもらえるようサポートしています。


また、整形外科はお年寄りをサポートする科でもあります。一年また一年と年をとってしまうのは仕方がないことではありますが、年をとっても脚腰は元気でいたいものです。しかし、加齢とともにどうしても骨は弱くなり、関節軟骨は擦り減っていく傾向があります。脚腰の弱りや骨折が原因で寝たきりにならないよう、自由に旅行ができ趣味にも没頭できる強い脚腰が維持できるよう、あの手この手を尽くしてサポートしております。


手脚や背骨に痛みを感じたら、手足の不自由さを感じたら、気軽に整形外科を受診してください。検査や治療が必要なものなのかどうか、治療が必要だとしたらそれはどのようなものか、生活上どんなことに気を付けなければならないか、などアドバイスさせていただきます。

スタッフ紹介

科長

丸山 祐一郎
(教授)

昭和58年3月  順天堂大学医学部卒業

 

 

 専門

  膝関節外科、スポーツ整形外科

 資格

  日本整形外科学会認定専門医、スポーツ専門医、リウマチ専門医、
  運動器リハビリテーション専門医

 所属学会

  日本関節鏡・膝・スポーツ学会評議員
  日本整形外科学会 他

職位 氏名 出身大学・専門分野・その他  
准教授 前澤 克彦 【専門】股関節外科
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・運動器リハビリテーション専門医・日本体育協会認定スポーツドクター
准教授 原 章 【専門】手の外科
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・日本手外科学会認定専門医
准教授 大沢 亜紀 【専門】膝関節外科、スポーツ整形外科
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・スポーツ専門医・リウマチ専門医・日本体育協会認定スポーツドクター・抗加齢学会専門医
准教授 湯浅 崇仁 【専門】股関節外科
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
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助教 糸魚川 善昭 【専門】肩関節外科、スポーツ整形外科
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・運動器リハビリテーション専門医
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助教

市原 理司

【専門】手の外科、末梢神経
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・日本手外科学会認定専門医・日本体育協会認定スポーツドクター

【資格】ヨーロッパ手外科学会査読委員、フランス手外科学会査読委員

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助手 工藤 俊哉 【専門】手の外科、複合組織移植
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・日本手外科学会認定専門医
助教 百村 励

【専門】脊椎外科

【専門医】日本整形外科学会認定専門医・運動器リハビリテーション専門医・脊椎脊髄病医・脊椎脊髄病学会指導医・骨粗鬆症学会認定医・日本体育協会認定スポーツドクター

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助手 青木 浩平 【専門】整形外科一般、外傷
【専門医】日本整形外科学会認定専門医
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助教 大久保 武人 【専門】骨軟部腫瘍
【専門医】日本整形外科学会認定専門医
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助手 鈴木 雅生 【専門】整形外科一般、外傷
【専門医】日本整形外科学会認定専門医
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助手 田中 将 【専門】脊椎外科
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・脊椎脊髄病医
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助手 五味 基央 【専門】整形外科一般、外傷
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・日本体育協会認定スポーツドクター
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助手(非常勤) 武田 純 【専門】整形外科一般、外傷 seikei_drtakeda.jpg
助手(非常勤) 石井 紗矢佳 【専門】整形外科一般、外傷 staff00.jpg
専攻生 志村 有久 【専門】整形外科一般、外傷 staff00.jpg
専攻生 塩田 浩平 【専門】整形外科一般、外傷 staff00.jpg
大学院生 吉田 圭一 【専門】整形外科一般、外傷
【専門医】日本整形外科学会認定専門医
大学院生 和田 知樹 【専門】肩関節・肘関節外科
【専門医】日本整形外科学会認定専門医・日本航空医療学会認定指導医・日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医
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診療疾患

股関節

寝ていたりすわっている時は痛くないのに立ち上がる時や歩き始めに脚の付け根が痛む、十数分歩くと脚の付け根が痛くなる、股関節の動きが悪くなってきた、以前からあった痛みが強くなってきた…、そのような症状でお悩みの方は、一度、股関節の診察を受けたほうが良いかも知れません。

 

股関節に痛みを生じさせる股関節疾患の代表的なものに“変形性股関節症”があります。この疾患は股関節の関節軟骨が何らかの原因(後述する“臼蓋形成不全”等)により擦り減ってしまうものですが、進行すると、著しい痛みのためにほとんど歩けない、日常生活が満足に行えない、といった状態になることがあります。

しかし、このような状態になっても股関節を人工のものに取り替える手術(人工股関節全置換術)を受ければ、再び痛みなく歩き回れる状態に戻ることが可能です。大変満足度の高い手術ではありますが、できることなら手術は受けたくないとお思いでしょう。

 

また、急いで手術を受けなくても運動療法をしているうちに股関節の痛みが軽くなることもあります。当科では、変形性股関節症に対してはまず運動療法をしながら経過をみることから始めます。そして、症状の変化やX線検査の結果を参考に現在と将来を見据えた上でどのように対処していくのが良いか、患者さんとじっくりと話し合いながら治療方針を決めています。

前十字靭帯損傷用膝装具

 <人工股関節>

また、若い方で、脚の付け根に時折痛みを感じるが自然となくなる、長時間の立ち仕事や歩行のあとに脚の付け根が痛くなる、といった症状がある場合、“臼蓋形成不全”があるかも知れません。臼蓋形成不全には軽度なものから高度なものまで様々ですが、中等度から高度の臼蓋形成不全があると、将来、“変形性股関節症”を発症する可能性が高いため、それを予防するための手術(寛骨臼回転骨切り術)が勧められています。

 

入院期間やリハビリ期間が長いため患者さんからは敬遠されがちですが、将来、変形性股関節症に進行し人工関節になってしまうことを避けるためには、症状が軽いうちに手術を受ける勇気も必要かも知れません。

 

小児の股関節疾患の代表的なものに“発育性股関節脱臼”があります。以前と比べると発症頻度はかなり減少しましたが現在でも散見されます。3ヶ月検診などで「疑い」を指摘された場合には必ず受診してください。

 

近親者に股関節の治療を受けた方がいる場合も念のための受診をお勧めいたします。子供さん特有の股関節疾患としては、ペルテス病や大腿骨頭すべり症、単純性股関節炎、化膿性股関節炎などもあり、その鑑別は時として難しく治療法もそれぞれ異なります。急なお子さんの下肢の痛み、持続する下肢の痛みがある場合は診察をお受けください。

膝関節(丸山祐一郎)


1.半月板損傷

 

<概念> 関関節内にある軟骨の一種である半月板の損傷は、外傷後に発症することもありますが、さしたる原因もないのに損傷されることもあります。一つの膝に内外2つの半月板がありますが、日本人では一般的に外側半月板損傷が多くみられます。また加齢により徐々に半月板が傷ついてくる場合は内側半月板に損傷が多く発生します。損傷した半月板が膝関節内にはさまりこみ、スポーツなどで突然、疼痛が生じ、ロッキング症状(膝が急にひっかかって動かなくなる)がでることがあります。

 

<手術対象> 膝の引っ掛かりが気になり疼痛がある場合やロッキング症状を繰り返す場合、またはロッキングした状態が整復されない場合は手術(関節鏡視下縫合術または部分半月切除術)を行います。

 

<手術内容> 膝関節鏡(直径4mmの内視鏡カメラ)を用い、可能な限り縫合による半月修復を目標としています。切除による術後の変性(老化)を防止するためです。癒合促進のために本人の血液を濃縮した血餅(けっぺい)を癒合部に移植することもあります。血流が乏しい部位で損傷している場合や、バサバサになって縫合が不可能であると判断した場合には、最小限の半月板を切除して形を整えます。最近では半月板の逸脱(はみ出し)による老化現象の悪化を抑制する目的で半月板を正常な位置まで整復する手技も行っており、半月の機能を改善・維持を目指します。

 

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半月板が損傷し内縁部が
遊離している

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損傷部を密着させ
関節鏡視下に縫合

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右膝を前方から

見る



 

 

2.膝前十字靭帯損傷(ひざぜんじゅうじじんたいそんしょう)

 

<概念> 膝前十字靭帯損傷は、膝への過度の外力が加わり、正常な可動域を越えて関節が動かされた場合に発症します。他者や他の物との接触がなくても発症することもあります。膝のゆるみと頼りない感じ、疼痛や腫れがあり、歩行困難なときもあります。放置していても受傷後数週で疼痛が消退し、正常に戻ったかのように見えます。しかしその後、スポーツ動作や動きの早い日常生活動作で膝くずれ(突然膝がガクンとずれる感じ)が発生するようになります。一度切れた靭帯は、自然に治ることはないのですが、日常の軽い動作などは普通にできることがあるため、筋力訓練を行いながら、レクリエーションスポーツなどをする際にサポーターや装具をつけて経過観察を行うこともあります。

 

<手術対象> スポーツを十分にやりたい人や、職業上膝への負担が多い人、日常的に膝くずれが頻繁に起こる場合には膝前十字靭帯再建術を考慮します。年齢的な制限はありません。

 

<手術内容> 膝前面から自家腱(ご本人の腱)を採取し再建靭帯とします。関節鏡視下に大腿骨や脛骨に小さい骨トンネルを作製し、自家腱を通して小さい金属を用いて固定します。自家腱には半腱様筋腱(はんけんようきんけん)と膝蓋腱(しつがいけん)の2種類あり、個人の身長、年齢、性別、スポーツ種目などにより使い分けています。なお半腱様筋腱の場合は、2本の再建靭帯を作製し、これを可能な限り解剖学的に実際の前十字靭帯の形状に合わせて2重束再建術を行っています。(身体の大きさや採取腱の太さで1本となることもあります)

 

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前十字靭帯は損傷すると
吸収(消失)されることが
多くみられます

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前十字靭帯再建術後
(2重束)

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右膝を前方から

見る
     

 

3.変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

 

<概念> 関節軟骨の老化や変性をきたしている状態です。膝の荷重部位(体重負荷がかかる部位)での関節軟骨が磨耗や破壊し消失が生じ、次いで非荷重部位での骨や軟骨の増殖が起こります。以上より疼痛、腫脹、可動域制限、変形を引き起こす病態です。変形性関節症の治療方針としてまず保存的治療として①生活指導(使用の制限、杖の使用、減量)、②薬剤療法(内服、外用、関節内注射)、③物理療法(電気治療、レーザーなど)、④装具療法、⑤運動療法(筋力訓練、歩行訓練を十分に行います。)

 

<手術対象> 一定期間の保存的治療が無効であり、歩行困難になりつつある場合、日常生活動作の制限が継続する場合、夜間などの安静時痛がある場合などに手術を考慮します。手術にはいくつかの方法があり、個々の変形の程度、年齢、活動性などにより各個人にあった最良の方法を選択します。

 

 

Ⅰ.高位骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)

 

<はじめに> 高位脛骨骨切り術は変形性膝関節症(あるいは特発性膝骨壊死)で傷んでいる部分に過度な負担が来ないようにする手術です。下肢のO脚(がにまた)変形を矯正するため、脛骨(すねの骨)の骨切りをして、角度を変更します。人工膝関節置換術のように関節を取り換える手術ではなく、自分の関節を温存できるため、身体への負担が少なく、人間の本来ある自然の矯正能力を期待できる手術です。

 

<手術内容> 関節鏡にて関節内を確認し、必要があれば傷んでいる軟骨や半月板の形状を整え、病的に緊張している腱や関節包があれば、一部を切離します。ついで膝前内側の約5-10cmの皮膚切開より脛骨の骨切りを行い下肢の変形を矯正します。この後にチタン製の金属プレートやスクリューで強固に固定し、骨切り後にできた隙間に人工骨を挿入します(植骨術)。

 

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金属で強固に固定し、

間隙は人工骨を挿入

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 金属で強固に固定し、
間隙は人工骨を挿入

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Ⅱ.人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)

 

<はじめに> 人工膝関節置換術は、人工物(金属、プラスチック、セラミック)で変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)や関節リウマチなどで傷んだ関節を取り替える手術です。通常、手術後数日で全体重をかけ歩行訓練を開始し、3-4週間で退院が可能となるために社会復帰が比較的早い手術です。利点は術後早期から疼痛を改善させ、O脚(ガニ股)やX脚(ウチ股)などの下肢の変形が容易に矯正することが可能なことです。

 

<手術内容>  膝前方の約10-15cmの皮膚切開より進入します。傷んだ骨や関節を一部切除し、大腿骨、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(おさら)に人工物を挿入後、骨セメント(接着剤の一種)で固定します。インプラントの耐久性を長期化し、術後の成績をより向上させるためには、手術中のインプラント設置位置を正確に設定することが重要な鍵となります。このため当科ではコンピューターを用いたナビゲーションシステムを使用しています。(個々の症例によりナビゲーションシステム用いない場合もあります)

 

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オルソパイロットⓇ

ナビゲーションシステム

インプラントが正確に設置されているかを確認
   

 

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術前
重度O脚変形と膝内側関節裂隙消失
  術後
人工膝関節により正常な下肢形状を獲得
     

 

肩関節

中高年の肩の疼痛に対して、腱板断裂の有無などしっかりと診断をつけてまずは理学療法や薬物療法などを行っています。しかし、それでも疼痛が持続し日常生活に支障をきたすようなら手術療法を行っています。手術療法は術後の痛みや侵襲の少ない関節鏡手術を行っています。

重度変形性膝関節症

肩関節脱臼は反復性(くせ)になりやすく、脱臼になりにくい肢位など生活指導を行いますが、日常のちょっとした動作でもはずれる場合は侵襲の少ない関節鏡手術を第一に選択しています。

野球、バレーボールなどのオーバーヘッド動作のあるスポーツでの障害に対して、リハビリテーション部と連携して各種筋力トレーニングを行っています。しかし、それでも疼痛が持続する場合は関節鏡手術を行っています。

 

脊椎外科

腰椎椎間板ヘルニアのMRI検査所見。椎間板が後方へ突出し、脊髄を圧迫。

腰椎椎間板ヘルニアのMRI検査所見。椎間板が後方へ突出し、脊髄を圧迫。

 頚椎から腰椎に至る脊椎全般の診断・治療を行っています。頚椎・腰椎椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離・辷り症などに対し、各種理学療法や麻酔科との連携によるブロック治療を行っていますが、症状が軽快しない場合は、各種手術治療も行っています。ヘルニア摘出術(腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下ヘルニア摘出術を含む)、脊髄除圧術やインストゥルメンテーション(金属機械)を用いた脊椎固定術などを行っています。

手・肘の外科

  • 肘・手・前腕・手指の骨折、脱臼、靭帯損傷.腱・神経損傷.腕神経叢損傷、手根管症候群、肘部管症候群、野球肘、腱鞘炎、手関節三角線維軟骨複合体 (TFCC)損傷などの治療を行います。
  • 特に、手のしびれの原因となる手根管症候群の手根管開放術や手の舟状骨骨折に対するスクリュー固定は入院せずに外来手術で可能です。
  • 入院が必要な手術でも、手・肘に関しては短期入院(2泊3日など)で可能です。
  • バネ指、デケルバンなどの腱鞘炎は手術せずに2~3回、注射をすればほとんどの方が治ります。
  • 手・肘の関節鏡手術も積極的に行い、診断・治療に役立てています。
  • リハビリテーションについても、作業療法が上肢のリハビリやスプリント作成などを行います。

 

 

1.母指CM関節症(ぼしシーエムかんせつしょう)

症状:明らかな原因なく徐々に親指のつけ根がふくれて痛くなってきた。ビンの蓋などが開けにくくなった。

概念:親指のつけ根にはCM関節と呼ばれる鞍状の関節があり、他の指と比べて動きが多いために使いすぎや加齢に伴って痛みを生じます。関節軟骨がすり減り進行するとCM関節は亜脱臼してふくれた様に見えます。

母指のつけ根を押さえると痛みを生じ運動時痛があります。レントゲン検査で関節の変形があれば母指CM関節症と診断されます。

治療:保存治療(固定装具、関節内への注射)が有効です。保存治療でよくならないときは手術が行われます。当院では骨同士が当たって痛みの原因となっている大菱形骨を除去し、ロープで親指を吊り上げて骨同士の スペースが維持できるような手術を行います。

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2.手関節ガングリオン(てかんせつがんぐりおん)

症状:机や壁に手をつく際に手首が痛くなった。手首周囲に米粒大からピンポン玉くらいの腫瘤ができた。

病態:関節包(関節を包むふくろ)や腱鞘(腱をつつむ鞘)の変性で生じます。女性に多いといわれています。注射器で腫瘤を穿刺しゼリー状ならガングリオンと診断します。小さいものは超音波検査が有効です。

多くは無症状のことが多いですが、大きくなるもの、痛みやしびれが出現した場合は治療が必要です。

治療:保存治療では改善することは少なく手術が行われます。当院では小さな傷ですむこと、再発率を低下 させることを目的に手関節内にカメラをいれて行う関節鏡手術で治療しています。

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スポーツによる運動器疾患

 

 スポーツ障害 :  持続的な小外傷が長期間にわたり身体に影響し発生する障害です。
             (離断性骨軟骨炎、疲労骨折、腱炎など)

 スポーツ外傷 :  スポーツが直接的に起因して発生する怪我で、一般の外傷と同様に治療を行いますが、復帰目標が元のスポーツとする場合には、より高度な機能を追求する必要があります。

             (捻挫、脱臼、骨折、靭帯損傷など)

1.膝離断性骨軟骨炎

 

 離断性骨軟骨炎は膝関節に発生することが多く、約75%が膝の発生と報告されています。骨軟骨片がはがれてくる病態で、時に完全に遊離する場合もあります。原因は未だに不明であり、炎症、血流不全、反復性の微小外傷、骨化障害、遺伝的異常などがあり、症例によりその主な原因は異なるものと考えられています。症状は膝の疼痛、はれ、引っかかり感、可動域制限などです。

 

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膝関節内の異常陰影(赤矢印)

 

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術前CTスキャン

 

 

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はがれかけた骨軟骨片

         

治療法:一般的には手術的に固定を行います。当科では可能な限り関節鏡視下(小切開でのカメラ使用)にて骨軟骨片を固定します。しかし遊離した骨軟骨片が癒合しにくいと判断した場合には摘出します。


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 膝関節鏡視下に吸収性のピンで骨軟骨片を固定します。    術後CTスキャン  
(骨軟骨片がピン固定されている)

 

2.野球肘(肘離断性骨軟骨炎)

 

 少年期では、骨、軟骨、筋肉が未発達であり、投球動作が未熟であることも多く、肘関節への過剰なストレスが繰り返し加わり発症します。投球中止などの保存療法で大部分は治ります。しかし骨軟骨片の分離が進行した場合や、遊離体ができてしまった場合などには手術が必要となります。

 

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肘関節外側の異常陰影(赤矢印)

 

 

 

 

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はがれかけた骨軟骨片

(肘関節鏡)

 

 

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術後異常陰影

の消失

 

 

3.脛骨疲労骨折(跳躍型)

 

 脛骨(すねの骨)に発症する疲労骨折です。特に前方に発症する跳躍型は難治性です。疼痛のためスポーツ動作に支障を認め、早期にスポーツ復帰を希望する場合には手術的に固定術を行うこともあります。

 

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 前方にごくわずかな骨折線を認める。(赤矢印)   手術(髄内釘固定)施行後
     

 

4.第5趾疲労骨折(ジョーンズ骨折)

 

 足の外側の疼痛がしばらく継続したあと、急に疼痛が増悪することが多くみられます。最近、サッカー選手に多く見られる疲労骨折です。骨癒合に長期間を要することが多いため、手術的に小切開から骨内にスクリューを刺入することにより比較的早期にスポーツ復帰が可能となります。

 

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骨折線(赤矢印)   スクリューを刺入し骨癒合
     

 

5.足関節ねずみ(遊離体)

 小さい骨軟骨片が関節内で動きまわる状態です。症状は疼痛、関節可動域制限、時に水が溜まったりします。骨軟骨片の位置が変わることにより、症状が毎回違う場所に出ることがあります。治療として、疼痛が継続するようであれば、手術(関節鏡)で摘出することをお勧めします。

 

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 単純X線

骨軟骨片を認める。

  CTスキャン
骨軟骨片の位置を確認

 

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足関節鏡で骨軟骨片を確認し摘出する。
  右足関節の内側を見る

 


骨折や捻挫など

 外傷一般に対し、整復、牽引、ギプス、装具などの保存的治療を基本的に行います。しかし早期リハビリが可能となり社会復帰に有利と思われる場合や、関節内骨折で解剖学的整復固定が必要と思われる場合には手術的に治療します。

手関節の骨折(コーレス骨折)老人に多くみられる骨折孔

手関節の骨折(コーレス骨折)
老人に多くみられる骨折孔

大腿骨頚部骨折「ずれ」が大きく「つき」にくい骨折

大腿骨頚部骨折
「ずれ」が大きく「つき」にくい骨折

関節リウマチ

 内科(膠原病・リウマチ内科)と連携し、装具の処方、運動療法を行っています。どうしても内科的治療(保存的治療)に限界のある患者さんに対して、手術療法(変形矯正術、滑膜切除術、人工関節置換術など)を行っています。

 

骨軟部腫瘍

  骨軟部腫瘍は外科内科の腫瘍・がんにくらべると発生頻度が低く、その種類が多岐にわたるため、大学病院やがんセンターなど専門施設を除いては適切な診断・治療が難しいことがあります。
 当科では骨軟部腫瘍を専門とする医師が水・木で外来を担当しており、千葉県のがん診療連携拠点病院として悪性腫瘍を含む診療を行っています。
 治療においては良悪性腫瘍の一般的な治療は全て可能で、先進医療の一つである液体窒素処理自家骨移植も対応しております(現在申請準備中)。

重度変形性膝関節症

診療実績

手術件数(2014年~2016年)

 手術の種類 2014年 2015年 2016年
 上肢の骨折 177 194 215
 下肢・骨盤の骨折 171 178 188
 軟部組織(腱縫合、皮膚移植ほか) 129 205 230
 血管・神経(神経剥離、動脈皮弁、指再接着ほか) 72 102 137
 人工膝関節全置換術 82 70 96
 人工股関節全置換術 49 66 66
 人工骨頭置換術 41 25 26
 骨切り術 44 29 50
 膝関節(前十字靭帯損傷、半月板損傷ほか) 127 195 270
 肩関節(腱板損傷、反復性脱臼ほか) 38 39 67
 脊椎の手術 55 57 46
 腫瘍の手術 105 106 44
 その他 390 309 241
 合計 1480 1575 1676

外来診療

一般外来

月曜日〜金曜日の午前中に整形外科一般診療を行っています。この外来では、再来の予約患者さんとともに、初診の患者さん(整形外科を初めて受診される患者さん、整形外科を久しぶりに受診される患者さん)、予約のない再来患者さんの診察を同時に行っております。整形外科を受診される患者さんは大変多いため、受付順が後ろの方の診察は夕方近くになってしまいます。どうぞご容赦ください。なお、土曜日の午前中も一般診療を行っておりますが、初診の患者さんのみの診察となっておりますのでご注意ください。

外来担当医表 でご確認できます。

患者さんのご紹介

近隣の病院やクリニックから患者さんをご紹介いただく場合、当院の医療連携室を通していただきますと、ご希望される医師の一般外来の予約をとることができます(予約制限が多少あります)。どうぞご利用ください。緊急の場合には、整形外科の救急用コールにご一報ください。対応させていただきます。

専門診

火曜日の午後には「膝関節」「股関節」「手の外科」の各専門診、水曜日の午後には「膝関節」「スポーツ」の各専門診、金曜日の午後には「脊椎」の専門診があります(いずれも予約制)。ただし、患者さんからの専門診への直接の予約はできませんのでご注意ください。専門診の受診希望の方は、まずは午前中の一般診を受診していただきます。その日の外来担当医が拝見し、専門診でのフォローアップが必要かどうかを判断させていただき、その上で必要があれば専門診の予約をお取りいたします。

入院診療

 当院の整形外科に入院される患者さんの9割以上の方は手術を受けるための入院です。手術を受ける方は、手術の1日〜3日前に入院していただき、病棟のオリエンテーションとコンディションチェックを受けていただきます。手術や治療に関して何か不明な点、不安な点が残っていれば、この間に担当医にご確認いただきます。手術を受けていただくにあたって最も重要なことは、患者さんや家族の皆様に、手術には「期待して良いこと」と、逆に「面倒になること」の二面性があること、手術や加療中に「思わぬアクシデント」が生じる可能性があることをよく理解していただくことと思われます。遠慮なく質問し十分にご検討ください。原則的には、外来での担当医師がそのまま病棟での主治医になります。

 当院は急性期病院として位置づけられておりますので、整形外科としては、手術の必要な患者さん、手術後間もない患者さん、手術を前提とした検査を必要とする患者さんの入院加療を優先させていただいております。自宅療養が可能と判断できる患者さんの場合には、入院希望がございましても外来での通院加療をお願いする場合がございます。ご協力をお願いいたします。

臨床研修プログラム

初期研修

当院の初期臨床研修プログラムでは、希望により外科研修の一環として整形外科研修が可能となっております。整形外科基本手技をはじめ、外傷や急性腰痛に対する初期対応、慢性疾患に対する治療選択の考え方が習得できるため、より救急対応が可能なゼネラルな医師の育成に寄与しております。

後期臨床研修

後期臨床研修では、外傷や急性疾患および多様な慢性疾患に対して、一連の治療過程(初期対応→治療選択→保存療法または観血的治療→後療法→フォローアップ)が愛情を持って淀みなく実践できるよう、多少ハードなプログラムを設定いたしました。1年間のみの在籍では、忙しいだけで終わってしまう可能性があるため、複数年の在籍をお勧めいたします。必ずや将来の財産となる経験と考え方が蓄積されます。

病院見学

他院所属の研修医、学外の学生さんの見学も随時受け入れております。ご希望のある方、興味のある方はぜひ下記へご連絡ください。大歓迎いたします。
E-mail:ju-seikei@juntendo-urayasu.jp
TEL:047-353-3111(代表→整形外科医局に回してもらってください)

学会活動

 平成26年度は、国内では日本整形外科学会学術総会、日整会基礎学術集会、日整会骨軟部腫瘍学術集会、日本関節鏡・膝・スポーツ学会、日本股関節学会、日本人工関節学会、日本手外科学会学術集会、東日本手外科研究会、日本脊椎脊髄病学会、日本マイクロサージャリー学会、日本肩関節学会、救急整形外傷シンポジウム、自己血輸血学会学術総会、関東整形災害外科学会、西日本整形災害外科学会等で計29題、海外では、ORSをはじめ計11題の学会発表を行いました。また、若手医師を中心に重度四肢外傷セミナー等への積極的な参加や可能な限りでの各種学会やセミナーへの参加により、各々の知識の集積とスキルアップを図っております。

順天堂大学医学部付属浦安病院
〒279-0021 千葉県浦安市富岡2丁目1番1号 大代表:047-353-3111
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