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診療科・部門のご紹介

MEDICALCARE

手外科センター(症例・研究)

疾患一覧

関節リウマチに対する人工手関節

【人工手関節】
本邦初のリウマチ用人工手関節の日本で数少ない手術認定施設となっています。
(院内倫理委員会での承認後使用開始予定)

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術前レントゲン

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術後レントゲン

(北海道大学整形外科名誉教授:三浪明男先生の御厚意による)

【人工肘関節全置換術】
関節リウマチによる肘関節の変形・疼痛に対して可動域改善・除痛目的で人工肘関節全置換術を行っています。

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術前の肘レントゲン

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術後の肘レントゲン

【人工指関節手術】
関節リウマチによる手指の変形をきたした患者さんに対してシリコン製のインプラントを用いて関節形成を行っております。

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    術前レントゲン
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    術前の手の状態
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    術後レントゲン
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    術後の手の状態

女性 右環指Bouchard(ブシャール)結節による痛みに対してPIP人工関節施行

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    術前レントゲン
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    術後6か月レントゲン

上肢の変性疾患に対する治療

【ザイヤフレックス注射】手術でなく注射で直す治療
Dupuytren(デユピトラン)拘縮の拘縮索を酵素作用で分解し手指伸展を可能とする注射で、手外科専門医のみが行えます。

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    ザイヤフレックス注射前
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    注射および伸展処置後1か月

【母指CM関節症】

この病気は、明らかな原因なくビンの蓋などを開ける際に親指のつけ根に痛みが出ます。親指のCM関節は他の指と比べて動きが多いために使いすぎや加齢に伴って痛みを生じます。関節軟骨がすり減り進行するとCM関節は亜脱臼してふくれた様に見えます。

保存治療(固定装具、関節内への注射)が有効です。保存治療でよくならないときは手術が行われます。当院では骨同士が当たって痛みの原因となっている大菱形骨を除去し、ロープで親指を吊り上げて骨同士のスペースが維持できるような手術を行います。現在まで約30人の方がこの手術をうけており、手術後の痛みは手術前の10-15%程度に改善しています。

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    術前レントゲン
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    術後レントゲン

【手関節ガングリオン】
手くび周囲に米粒大からピンポン玉くらいの腫瘤ができることが多く、女性に多いといわれています。注射器で腫瘤を穿刺しゼリー状ならガングリオンと診断します。肉眼的にわかりにくい小さいものは超音波検査が有効です。多くは無症状のことが多いですが、大きくなるもの、痛みやしびれが出現した場合は治療が必要です。保存治療では改善することは少なく手術が行われます。当院では小さな傷ですむこと、再発率を低下させることを目的に手関節内にカメラをいれて行う関節鏡手術で治療しています。

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    術前
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    術前超音波画像

  • 術後

【手根管症候群】
手首での正中神経圧迫による母指~環指のしびれと母指球筋(母指の付け根の筋肉)の麻痺のため、小銭がつまみづらい、ボタンかけがしづらい、などの症状がでます。

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  • 201838152113

左母指の付け根の筋萎縮。左手は母指掌側外転や母指と示指で丸を作るのができない。手根管開放術だけでは筋萎縮が改善しない場合、手根管開放術と母指対立再建術(Camitz法)を施行します。

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Camitz法術後:母指の付け根の筋委縮は改善しませんが、母指掌側外転や母指・示指で丸を作るのは改善しています(左手)。

【変形性手関節症】
男性 舟状骨骨折の偽関節後に変形性手関節症(SNAC wrist)に対して部分手関節固定術(Four corner fusion)を施行

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    術前レントゲン
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    術後2か月レントゲン

手指外傷

【手指骨折】
当院は3次救急病院であり、多くの手指外傷患者さんが受診します。手術加療が必要な患者さんには、フランスの技術をもとに市原医師が新たに開発した鋼線締結型創外固定を使用し患者さんへの侵襲を最小限に骨折部を固定し早期に可動域訓練を行っております。

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    術前レントゲン
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    術後レントゲン

  • 術後5週での手指伸展
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    術後5週での手指屈曲

【指関節脱臼骨折】創外固定による治療

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    受傷時レントゲンでPIP関節
    陥没骨片と背側への脱臼を認めます。
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    術後レントゲン
    内固定と創外固定
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    創外固定を装着して、指を動かします。
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    鋼線抜去後レントゲン
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    正常に指が動くようになりました

【足趾移植】
失われた手指を再建するために、足の第2趾を移植するものです。
事故による左中-小指切断後に両側第2足趾移植術施行し現職に復帰しております。

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    術前
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    術後
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    術後の足部の状態

【骨軟骨移植による関節再建】
PIP関節損傷に対する肋軟骨移植
外傷による指の関節の欠損に対して胸部から肋軟骨を採取し、形成して指に移植しています。

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    術前レントゲン
  • 201838164857
    創外固定で牽引し、肋軟骨移植
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    創外固定抜去後レントゲン
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    術後の中指の状態(開放創を閉じるため、
    島状皮弁を併用しています。)

手関節外傷

【舟状骨骨折】新鮮例では、局所麻酔でスクリュー1本による内固定を行っています。

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    術前レントゲン

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    術後レントゲン

【舟状骨偽関節】
血管柄付き骨移植術(Zeidemberg法): 舟状骨骨折は初診時のレントゲン検査で不鮮明なことが多く、時間が経って偽関節となってから痛みのため来院されることが多い骨折です。
当院では橈骨から血管柄付きでの骨移植術(Zeidemberg法)を行い良好な骨癒合が得られる様に治療を行っています。

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    術前レントゲン

  • 術後レントゲン(血管柄付き骨移植)
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    術後12か月時のレントゲン
    骨癒合が得られています。

肘関節外傷

【小児上腕骨顆上骨折】子供の肘の骨折で、緊急で手術を施行します。

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    受傷時レントゲン
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    肘の腫脹と肘屈側に皮下出血を認めます。

  • 肘前方を切開し骨折を整復
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    鋼線でクロスに固定

 

【上腕骨顆部骨折粉砕骨折】

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    受傷時レントゲン
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         CT画像
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    術後レントゲン
    両側から2枚のプレートで固定し、術後すぐに肘を動かすことが可能です。関節面の整復のため肘頭を骨切りし、鋼線で固定しています。

腕神経叢麻痺

交通外傷などにより頚部から肩の間で神経が損傷されるもので、肩や肘、手が動かなくなります。損傷を受けた神経に正常な神経を縫合して、筋肉を動かす手術を行います。

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腕神経叢上位型麻痺
右肩の筋委縮。肘の屈曲、肩の挙上ができません。

  • 20183910543
  • 20183910614
  • 20183910643

 術後9か月 肩を動かす神経2本と肘を曲げる神経1本を正常な神経で再建しました。
 肩挙上が可能となり、右肘も曲がるようになっています。
 力こぶも左右差ないくらいに回復しました。

熱傷瘢痕及びその瘢痕拘縮に対する治療

1歳男児 熱傷瘢痕
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  • 201839102244
  • 201839102316

  熱傷瘢痕に伴う癒着による屈曲制限、指間消失、web形成を生じている。

  • 201839102648
  • 201839102721

  Multiple Z plasty 短形皮弁による指間形成 充分な瘢痕解除後の全層植皮術

  • 201839103334
  • 20183910344
  • 201839103428

  術後1年で、拘縮やwebの再発を認めず、経過良好

手指に生じた皮膚悪性腫瘍に対する治療

64歳男性 熱傷瘢痕癌 
拡大切除+センチネルリンパ節生検
橈骨動脈穿通枝皮弁移植術による再建

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    術後4年
  • 201839105836
    センチネルリンパ節生検
  • 201839105937
    ICG蛍光造影法による穿通枝の同定

熱傷瘢痕部に生じた瘢痕癌に対する、総合的な評価に基づく拡大切除と必要に応じたセンチネルリンパ節生検
低侵襲な再建術を実現するためのICG蛍光造影を用いた橈骨動脈穿通枝皮弁による再建術を施行

85歳女性 中指悪性黒色腫

  • 201862010363
  • 2018620132541
    術後半年
    指切断を回避し、
    骨膜上で爪甲部のみの拡大切除を行い、
    一期的に植皮術を施行

手指の先天異常に対する治療

2歳女児 母指形成不全(Blauth V型)
母指化術(示指移行)

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Buck-Grancko変法による母指化術を施行

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術後1年で、pinchも可能となり、ペンや箸などもしっかりと使用できている。

2歳男児 中環指間の合指症

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webの皮膚を皮下茎皮弁として使用した独自の指間形成術を施行

1歳男児 多母指症

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手指の血管異常に対する治療

示指全周~手掌部 動静脈奇形

  • 201839132819
    非常に強い疼痛
  • 20183913292
    3DCT angiography
    左示指全周及び手掌部指基部にnidusを認める(Fast Flow)
  • 20183913338切除デザイン
    指背側皮膚を可及的に温存
  • 20183913387
    脂肪をほとんど含まない非常に薄い皮弁によって再建を施行

    (PSP flap concept)

  • 術後1年
    疼痛は消失し、爪を温存した薄い皮弁による再建で、機能面・整容面双方において経過良好である。

当センターにおける末梢神経再生に関する研究

 末梢神経再生に関し、端側神経縫合の神経再生メカニズムの解明に始まり、同種神経移植におけるシュワン細胞の動態や無細胞化した同種移植神経のより有効な活用法、神経縫合部における短期的電気刺激の有用性など、臨床面において有用性が高いと考えられる様々なトピックスについて、独創的なモデルや手法を用い多角的な研究を行っています。

 再生神経の評価は、電気生理学や組織形態学といった、いくつかの間接的な再生軸索の評価を組み合わせながら行うことが一般的ですが、再生軸索そのものの状態を可視化して直接的に評価する手法も用いながら、分子生物学的な評価も織り交ぜて多くの研究テーマに取り組んでいます。古くは、DiIを神経トレーサーとして用いて端側神経縫合部における側枝の発芽(Collateral sprouting)の様子を観察することに成功し、世界的にも高い評価を受けましたが、近年では、軸索やシュワン細胞が蛍光発色するトランスジェニックマウスを利用することで、特徴的な研究成果を報告しています。

 現在最も力を入れて取り組んでいるのは、無細胞な移植神経を臨床的により実用的なものにさせ得る手技や手法の開発で、端側神経縫合をシュワン細胞供給法として用いる試みや幹細胞移植の併用といったテーマを軸に、新たな神経再建法の開発やより良い機能回復を可能にする再生軸索促進法などの探求を目指します。

  • 201839135011
    トランスジェニックマウスでの
    端側神経縫合部の観察(林)
  • 201839135144
    短期的電気刺激の有用性と蛍光
    実体顕微鏡での発色輝度の検討

201839135339

無細胞化神経へのシュワン細胞供給法としての端側神経縫合の検
討並びにprefabricateさせた無細胞化神経の実用性(吉澤)

  1. Hayashi A, Yanai A, Komuro Y, Nishida M, Inoue M, Seki T. : Collateral sprouting occurs following end-to-side neurorrhaphy. Plast Reconstr Surg. 114:129-137, 2004
  2. Hayashi A, Koob JW, Liu DZ, Tong AY, Hunter DA, Parsadanian A, Mackinnon SE, Myckatyn TM. : A double-transgenic mouse used to track migrating Schwann cells and regenerating axons following engraftment of injured nerves. Exp Neurol. 207:128-138, 2007.
  3. Hayashi A, Moradzadeh A, Hunter DA, Kawamura DH, Puppala VK, Koob JW, Tung THH, Mackinnon SE, Myckatyn TM. : Retrograde Labeling In Peripheral Nerve Research: It is not all black and white. J of Reconst. Microsurg 23:381-389, 2007.
  4. Hayashi A, Pannucci C, Moradzadeh A, Kawamura DH, Magill CK, Hunter DA, Tong AY, Parsadanian A, Mackinnon SE, Myckatyn TM. : Axotomy or compression are required for axonal sprouting following end-to-side neurorrhaphy. Exp Neurol. 211:539-550, 2008.
  5. Hayashi A, Moradzadeh A, Tong AY, Wei C, Tuffaha S, Hunter DA, Parsadanian A, Mackinnon SE, Myckatyn TM. : Treatment Modality Differentially Affects Allograft-Derived Schwann Call Phenotype and their Regenerative, and Myelinating Capacities. Exp Neurol. 212:324-336, 2008.
  6. Natori Y, Yoshizawa H, Senda D, Mizuno H, Hayashi A : The fluorescent intensity from the transgenic Thy1–YFP 16 mouse correlates with the amount of regenerated axons

    Plast Reconstr Surg glob open 4:e758, 2016

  7. Yoshizawa H, Natori Y, Senda D, Tanaka R, Mizuno H, Hayashi A : End-to-side neurorrhaphy as Schwann cell provider to acellular nerve grafts and its suitable application. Plos One 11: e0167507, 2016