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JUNTENDO UNIVERSITY URAYASU HOSPITAL

TOPICS トピックス

2017年01月26日(木)

消化器内科

炎症性腸疾患の血球成分除去療法(CAP)

炎症性腸疾患の血球成分除去療法(CAP)について

潰瘍性大腸炎やクローン病をはじめとする炎症性腸疾患(IBD)は若年から発症する慢性炎症性疾患で活動期には生活の質(QOL)を損なうことが特徴です。近年、新規薬剤の登場により治療の選択肢が増えていますが薬剤投与による副作用を完全に払拭することはできません。CAPは薬物投与を行わない治療法で副作用はほとんどなく、即効性はありませんが有効性の高い治療法です。血液中の白血球などを吸着除去したり機能変化をもたらす治療法で、IBD以外にも慢性関節リウマチや膿疱性乾癬など様々な炎症性疾患に有効性が報告され、保険適応があります。この治療は、血液の一部を体外へ連続的に取り出し、活性化白血球を取り除き血液を体内に戻すことで効果を発揮します(体外循環療法)。循環時間は約60分で、1度の活動期につき10~11 回まで実施が可能です。我々は、IBDに伴う腸管外合併症である皮膚病変(結節性紅斑、壊疽性膿皮症)に対する効果も報告しております(図:CAP1クールにより結節性紅斑は消退)。

従来のステロイドで効果が得られにくいあるいは、副作用等でこれ以上使いたくない、もっと減量したい患者さんがいましたらCAP療法の適応です。当院では主に火曜日、木曜日の午後に血液浄化センターで行っていますが、患者さんのスケジュールに合わせて上記以外の時間(土曜日)での対応も可能です。CAP治療終了後は従来通り診療所・クリニックで治療継続ができます。副作用が少ないことは、長期に渡って治療を行わなければならないIBD患者さんにとって大きな福音になると思われます。

適応患者さんがいましたら炎症性腸疾患専門外来にぜひご紹介ください。

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